はじめに
この記事では、屋内で使用可能な短下肢装具の種類と仕様について解説します。屋内で装具を利用する際のポイントや、装具の仕様、特徴、使用時の注意点、デメリットの解消方法についてお伝えします。屋内で短下肢装具を使う際のガイドラインとなることが目的の記事です。
1. 屋内で使用できる短下肢装具の仕様について
1.1 屋内用の短下肢装具とは
厳密には「屋内専用の短下肢装具」というものは存在しません。しかし、装具の仕様によって屋内での使用がしやすいかどうかが決まります。特に両側支柱型の場合、足部の仕様で屋内利用向きか屋外利用向きかが判断されます。
1.2 両側支柱短下肢装具の屋内利用を想定した仕様
- 足部覆い型
- プラスチック型で足底面に滑り止めがついているもの
2. 足部覆い型
つま先が開いており、靴型に比べて装着が容易です。ただし、つま先が空いているため屋外での利用には適していません。これは「屋内向き」というより、「屋内での使用が推奨される」仕様です。
3. プラスチック型
足部がシューホーンブレイスの足部のようになっている仕様です。足底面に滑り止めをつけることで、装具単体でも屋内で利用できます。靴を履くことで屋外でも使用可能です。
- 機能面: 両側支柱型とプラスチック短下肢装具の中間に位置します。
- デメリット: 足部と継手が張り出すため、履ける靴が限られ、重量もプラスチック短下肢装具より重くなります。固定力は両側支柱なので高いですが、中間的な性質を持ちます。
4. プラスチック短下肢装具の場合(シューホンブレイスなど)
屋内で使用する場合、足底面に滑り止めを貼る必要があります。滑り止めを貼っていない場合は、室内履きを履くことをおすすめします。滑り止めを貼っても、プラスチックが床を叩く音は消えないため、歩く際の音が気になる方は室内履きを利用すると良いでしょう。
この装具は、靴を履くだけで屋外に出られるため、屋内外両方で使う場合、着脱の面で非常に便利です(固定力などは別として)。
5. ゲイトソリューションデザインとオルトップAFOシリーズの屋内利用について
5.1 ゲイトソリューションデザイン(GSD)
足底面に滑り止めがついていないため、そのままでの使用はおすすめできません。室内履きと併用することを推奨します。
ゲイトソリューションシリーズについては、以下の記事も参考にしてください。
5.2 オルトップAFOシリーズ
こちらも足底面に滑り止めがついていないため、屋内で使用する場合は室内履きを履くことをおすすめします。
オルトップAFOシリーズについては、以下の記事も参考にしてください。
6. 参考資料:装具仕様を想定した屋内履き
6.1 Gaitfix(ゲイトフィックス)
ゲイトソリューションシリーズやオルトップAFOシリーズを提供しているパシフィックサプライ社が販売する商品です。ベルトで装具と靴を密着させるため、屋内歩行の安定感が高いのが特徴です。
スリッパタイプの屋内履きでは、履物の踵が装具から離れて歩行の安定感を損なったり、装具と履物が衝突して音が発生するなどの問題がありますが、ゲイトフィックスではそのような問題が起こりにくいです。
サイズはS、M、Lの3種類。Amazonなどでも購入可能です。
参考URL
- パシフィックサプライ公式ページ
https://www.p-supply.co.jp/products/index.php?act=detail&pid=477 - Amazonでも購入できます。
まとめ
今回は、短下肢装具を屋内で使用するための仕様についてまとめました。プラスチック短下肢装具は、足底面に滑り止めがついていれば屋内での使用が可能です。そうでない場合は、室内履きを使用することが重要なポイントです。特に室内履きは、装具で室内を歩くときの音を軽減できるため、滑り止めがついている短下肢装具をお持ちの方も、一度検討されてはいかがでしょうか。
この記事が、皆さまの短下肢装具の適切な利用に役立てば幸いです。今回は以上です。ありがとうございました。
短下肢装具を屋外で使用するためのおすすめの靴についての記事はこちら
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