装具のベルトは消耗品:装具の修理を検討すべき3つの状況とタイミング

装具のベルトは消耗品:装具の修理を検討すべき3つの状況とタイミング 下肢装具

装具は日常的に使用するため、修理やメンテナンスが不可欠です。特に、固定用ベルトのマジックテープなどのパーツは消耗しやすく、定期的な交換が必要となります。今回は短下肢装具の修理が必要となるタイミングを3つご紹介し、修理や作り変えが必要なケース、補装具費支給制度の利用方法、そして相談先についても詳しく説明します。

装具修理が必要なタイミング

1. ベルト交換のタイミング

装具のマジックテープが消耗している状態の例

装具を固定するマジックテープの付きが悪くなった時は、ベルト交換の目安です。

  • マジックテープが毛羽立っている
  • ゴミが大量に付着している
  • マジックテープとベルトの縫い目がほつれている

マジックテープ部分は、毎日使っていると消耗し、固定力が弱くなります。この状態では装具本来の性能を発揮できなくなるため、付きが弱くなったらベルト交換を検討しましょう。また、縫い目がほつれた場合も固定力が低下するため、修理が必要です。

2. 足底の滑り止めが外れた場合(プラスチック短下肢装具)

滑り止めの破損が進んだ状態。完全に破損する前に定期的なメンテナンスをおすすめします。

プラスチック製の短下肢装具の足底の滑り止めが剥がれた場合、滑るリスクが高くなります。

  • 滑り止めがずれたり剥がれている
  • 摩耗して大きく欠けている

足底の滑り止めは接着材で貼り付けられているため、長期間の使用でずれや剥がれが発生します。滑り止めが剥がれた状態で使用すると、特に屋内では床に対して滑りやすく危険です。室内履きで代用することもできますが、早急な修理をお勧めします。

3. 靴底の摩耗(両側支柱の短下肢装具)

靴底がすり減り修理対応する前の状態。踵がすり減りつま先もすり減っている。つま先は何度も修理している。

靴底の摩耗は、装具の角度や影響を与え、不適合の原因になります。

  • 靴底が全体的にすり減っている
  • 踵が斜めに削れている
  • つま先が削れている

。靴底がすり減ると、一般の靴と同様に修理が必要です。特に踵部分が斜めに削れていると、装具の角度が変わり、本来の性能が発揮できなくなります。つま先部分が消耗している場合も同様に靴底の張替え修理が必要です。靴底のつま先の消耗が進むと、最終的にアッパーまで破損していまい、修理での対応が難しくなります。外で装具を使う場合は、靴底の定期的なチェックが必要です。

修理ではなく作り変えを推奨するケース

以下のケースでは修理ではなく、装具の作り変えをお勧めします。

  • 継手の破損
  • 経年劣化によるプラスチック部分の破損
  • 支柱の破損
  • 靴や足部覆いのアッパー部分の破損

これらの破損は、修理では対応しきれないことが多いため、義肢装具士に相談して作り変えを検討しましょう。特にプラスチックの経年劣化による破損は、補修してもすぐに他の部分が壊れるため、作り変えが最適です。

装具修理に使える制度について

装具の修理費用は補装具費支給制度を利用できます。修理の際にも医師の処方が必要であり、装具作成時に障害者総合支援法の制度を使用した場合は、修理もその制度で行えます。条件が複雑な場合もあるため、担当の義肢装具士や近隣の義肢装具製作所に相談することを推奨します。

制度についての記事は他の記事も参考にしてください。

修理の相談先

修理や作り変えについて迷った場合は、市町村の障害福祉課に相談するのが良いでしょう。役所では直接的な修理対応はできませんが、義肢装具製作所との連絡を取り、補装具費支給制度の利用可否を確認してくれます。

靴底の修理については、靴の修理屋さんでも対応してくれるケースもあるので、近くに店舗がある場合は、相談してみましょう。

まとめ

今回は装具の修理が必要なタイミングについて紹介しました。装具の破損は不適合につながり、性能が発揮できなくなります。ベルトや滑り止め、靴底などは消耗品なので、1~2年ごとに修理が必要になることが多いです。定期的に点検し、完全に壊れる前にメンテナンスを行いましょう

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