オルトップAFOシリーズを解説:3つのモデルの特徴とは?

下肢装具

はじめに

この記事では、オルトップAFOシリーズの「オルトップAFO」「オルトップAFO LH」「オルトップAFO LH+」の3つについて、それぞれの特徴や使い勝手を紹介します。どれを選ぶべきか迷っている方に、選定の参考になる情報をお届けします。

オルトップAFOシリーズの紹介

オルトップAFOシリーズ

オルトップAFO

オルトップAFOは、軽量でコンパクトな短下肢装具として定番のモデルです。シリーズの中で最も小型で、足先のカットラインがMP関節近位まで抑えられています。靴下の中に収まるサイズ感なので、目立ちにくく、靴の選択肢も広がります。

足関節底屈・背屈の制御

どちらも制動です。制動力はオルトップAFOシリーズの中でも最も控えめです。

オルトップシリーズ共通の注意点(屋内での利用について)

装具底面には滑り止めがついていないため、装具だけでの屋内利用はおすすめできません。ただし、滑り止めをつける加工は可能です。

オルトップAFO LH

オルトップAFOよりもサイズが大きく、制動力が向上したモデルです。足底部のカットラインはMP関節の遠位まで延長され、装具のトップ部分もオルトップAFOより3cm高くなっています。

靴下の中に納めるサイズではありませんが、スニーカータイプの靴であれば、装具をつけたまま履けることが多いです。インソールが入れやすい靴であれば概ね適応範囲に収まると思います。

中敷きが外せる紐靴(スニーカー)であれば多くの靴を履くことができます。
足関節底屈・背屈の制御

底屈・背屈ともに制動です。制動力と装具の大きさのバランスがシリーズの中で最も良いと感じます。(個人的感想)

オルトップAFO LH+

オルトップAFOシリーズの中で最も大きなモデルです。足底部のカットラインは足先まであり、トップの高さもオルトップAFO LHより3cm延長されています。側壁ありとなしの2タイプがあります。LHよりも履きやすい靴の選択肢は狭まりますが、一般的なサイズのシューホンブレイスよりも選択肢は多いです。

足関節底屈・背屈の制御

底屈・背屈ともにシリーズで最も強い制動力を持っていますが、シューホンブレイスのリジットなトリミングラインほどの制限や固定力まではありません。

他の選択肢としては?

ウォークオンシリーズ

オルトップAFOシリーズとよく比較されるのがウォークオンシリーズです。ウォークオンシリーズとオルトップシリーズのどちらを選ぶかは、使用目的や状況に応じて比較検討することが多いです。

底屈制動を目的する場合であればGSシリーズも検討候補に挙がります。

GSシリーズの記事についてこちらでも

足関節制動・制限などの用語解説はこの記事も参考にしてください。

実は「オルトップ」とは?

オルトップとは

「オルトップ」には、” 整形外科分野「orthopedic 」での頂点「top」を目指す ” という意味が込められており、1946年に設立された川村義肢株式会社の創業精神のひとつ、『身障者にその時代の医学と工学の最高水準に合致する製品を提供すること』に由来しています

川村義肢の公式サイトから引用

「オルトップ」といえばこの装具を連想する方が多いと思いますが、実はオルトップは装具の名前ではなく、販売元のパシフィックサプライやKAWAMURAグループ(川村義肢など)が使用しているブランド名です。オルトップAFO以外にも、オルトップフィンガーやオルトップセントラルファブリケーション事業なども展開されています。

まとめ

オルトップAFOシリーズは、底屈制動が可能な軽量・コンパクトな装具として非常に優れています。適応範囲はシビアだと感じる場合もありますが、靴との両立ができる装具は少なく、貴重な存在です。今回の記事では、個人的な経験や考えを元にしていますが、装具選定の参考になれば幸いです。

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