大腿義足: 膝継手の用語集

お勉強記事 義足編 大腿義足

大腿義足、膝継手の用語まとめ。

基本的な機能、随意制御と不随意制御、膝継手各種別ごとの特徴についてのまとめ。

膝継手の基本的な機能

基本的な膝継手の機能は

  1. 立脚期での安全性の保証と体幹の支持
  2. 遊脚期での滑らかさ、およびコントロール
  3. 座位、膝曲げ時、屈み運動、その他膝の屈曲を妨げないこと。

見た目に不自然ではない歩様でき、座位を取る際は屈曲し、膝折れせず安全であり、切断者の体重を支える耐久力が求められる。
和式の生活では120度以上膝が屈曲することも求められる。

随意制御と不随意制御

 

出展 : 義肢装具のチェックポイント 第8版 日本整形外科学会 (著)

立脚期の膝継手を制御する方法は大きく分けて二つある。

随意制御

大腿義足のユーザーが膝継手の膝折れ防止するために、ユーザー自らの意思によって行うもの。通常、大腿義足で歩行する場合、荷重は立脚初期から中期直前にかけて膝折れする方向に作用する。切断者はそれに対抗するために、股関節を伸展させる。股関節を伸展させることで、膝継手よりも前に荷重線を通し、膝折れを防止することができる。

不随意制御

ソケット、膝継手、足部の角度を含めたアライメントや、荷重ブレーキなどの機構によって膝の安定性などを確保する方法。イールディングやバウンシング機構を備えた膝継手は、立脚期の急な膝折れを防いだり、軽度屈曲位のまま動的安定性を確保できる。

単軸膝(定摩擦)

非常に単純な機能。基本的なヒンジのデザインである。
継手自体に膝の安定性はなく、アライメントや筋肉の収縮で、
安定性を保つ。

一般的な機能

一定の速度で歩く場合や股関節のコントロールが良い場合。
最大限の強度が必要な場合。

メリット

安価で丈夫

デメリット

歩行速度が固定される。膝継手自体に膝の安定性を担保する機能が乏しく、安定性が低い。そのため、随意制御が苦手な人、伸展筋が弱い人には向いていない。

立脚制御膝(荷重ブレーキ膝継手)

可重ブレーキ(可重時に膝の屈曲制限する)などによって立脚期を制御する膝継手。

一般的な適応

身体的な虚弱、また股関節のコントールが弱い場合。

メリット

膝の安定性の向上

デメリット

遊脚期への遅れ、膝の屈曲や座位の際は完全に非荷重にしなければならない。座るときに苦労する。

4節リンク膝(多軸膝)の特徴

基本的な機能

安定性の向上と遊脚期への屈曲の容易さ、長断端への座位での外観向上。

一般的な適応

膝の安定性を向上させたい場合に使用する。

メリット

遊脚期に影響を及ばさずに、膝が安定する。膝が安定するため、膝継手の随意制御能力が低い使用者でも安心して歩行できる。
足が地面に剃りにくい。膝が屈曲する際に、下腿の実行長が短くなるため、単軸の膝継ぎ手よりも足部と床面の距離を保つことができる。
座位を取った際に、膝継手の突出が少ない。このため長断端でも座位の際目立つことがない。

デメリット

重量が重い。
メンテナンスが必要。
単軸より高価である。

瞬間回転中心

膝軸伸展位では瞬間回転中心が、実際の機械軸より上方&後方に位置している。そのため、多軸膝は膝の安定性が高い。股関節軸に近いところに回転中心があるため、モーメントアームが短くなり、少ない股関節伸筋力で膝を安定させることが可能である。
膝継手が伸展から屈曲するときは、瞬間回転中心は、機械軸より下方&前方に移動する。
4節リンク膝の瞬間回転中心は生体に膝に近い。

固定膝

膝が完全にロックされた膝継手。

一般的な適応

膝折れを完全に防ぎたいときに使用。

メリット

絶対に膝折れしない。

デメリット

膝が曲がらないので、歩行が難しい。外転歩行、伸び上がり歩行、ぶん回し歩行などの異常歩行が出現する。座位を取るのが大変。

流体制御膝継手

油圧式と空圧式に大別される。
基本的な機能は歩行速度の変化を可能にすることである。

メリット

様々なケーデンスに対応し、より正常歩行に近い歩様が可能になる。油圧制御はさらに安定した歩行が可能。油圧制御の流体は高粘度で非圧縮性がある。このため大きな抵抗力や瞬間的な力を発生させることができる。

デメリット

費用が高い。重量か重く、複雑な機構のため整備が難しい。
油圧制御の場合、断端の筋力が弱い、または体重が軽い場合、膝が曲げれない事がある。油圧の場合は、膝を屈曲させるだけの力があるかどうか確認が必要。また油圧制御の場合、小さなシリンダー内に油を高圧縮するため、油漏れなどの問題が起きやすい。

コンピューター制御膝

ユーザーの歩行速度や下腿の角度、地面との距離に合わせて、流体のバルブ開閉を電子制御にて調整する。ユーザーの歩様に合わせた膝の抵抗の調整が可能になる。
通常の流体制御では、予め切断者が最も歩きやすい歩行速度に合わせて抵抗を調整する。そのため、設定した歩行速度以外で歩行すると問題が起きる。遅い場合は膝が曲がらず某足歩行になる。早い場合は、ヒールライズやターミナルインパクトなどが出現する。コンピューター制御の場合はこのような問題は出現しにいくい。

バウンシング

立脚初期に膝を軽度屈曲位にし、それ以上屈曲しないようにする機構。
健常者の歩行では立脚初期に膝関節の軽度屈曲が見られる。この屈曲により股関節の上下動を減らし、重心の上下動を減らすことで歩行中のエネルギーロスを軽減すると言われている。バウンシングは、大腿義足による歩行でも同様のことを再現する機構である。軽度屈曲において機構的に膝の屈曲を止めるため、立脚初期の膝折れ防止に有効。また両脚支持期に健側、義足側ともに屈曲位なるが、この時も屈曲を止め、膝折れを防止する。
この機構によって重心の位置も正常歩行に近い高さになる。
バウンシングに必要なバンパーの硬さは活動度によって変更する事ができる。

イールディング

ダンパーの機能により徐々に膝を屈曲させることが可能になる。下り坂、下り階段での膝折れ防止に有効。粘性を利用しているため、油圧制御の膝継手に搭載されている。ゆっくりスクワットすることも可能になる。
ただし体重のかけ方によってはイールディング機構が働かない場合もある。

この記事は義肢装具士国家試験対策に勉強したことを
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