大腿義足のアライメント

お勉強記事 義足編 大腿義足

アライメントとは、ソケット、膝継手、足部の相対的な位置関係のことである。このアライメントに問題が生じると、異常歩行や痛みなどの原因となるため、使用者にあったアライメントを設定することが重要である。

ベンチアライメント:四辺形ソケット

ベンチアライメントとは?

ベンチアライメントは、作業上台で切断者の情報を元に、ソケット、膝継手、足部などの位置関係や軸位を設定し組み立て行う基礎的なアライメントである。ベンチアライメントは出発で、義足装着後に立位時のスタティックアライメント、歩行時のダイナミックアライメントを調整し、最終的なアライメントを決定する。

前額面

ベンチアライメント:四辺形ソケット

出展 : 義肢装具のチェックポイント 第8版 日本整形外科学会 (著)

基準線はソケットの内外径中心より10mm内側寄りの点から膝継手軸中心を通り、踵中心に落ちる。この時、坐骨支持部、膝継手は水平である。

矢状面

基準線はソケットの前後径中心の点から膝継手の10mm前方を通り、足部の踵とトゥブレイクとの中心に落ちる。この時ソケットには初期屈曲角が設定されている。

水平面

大腿義足アライメント 水平面

出展 : 義肢装具のチェックポイント 第8版 日本整形外科学会 (著)

進行方向を示すソケット内側壁が膝継手軸、足継手軸、トウブレイクと直角で、足部進行方向と平行になる。

アライメント : IRCソケット(坐骨収納式)

IRCの大腿義足アライメント

出展 : 義肢装具のチェックポイント 第8版 日本整形外科学会 (著)

IRCソケットの静止立位時のアライメントは立脚中期の内転角を想定したものである。基準線はソケット内外径中心(股関節中心)と坐骨結節との1/2の点から膝継手中心を通り、踵中心に落ちる。この位置に基準線を設定している理由は、体重荷重線と大腿骨の内転角度が静止立位時と立脚中期で差異があるためである。
体重荷重線は、静止立位時、股関節中心を通り、このとき大腿骨は男性は9度〜11度、女性で11~13度内転している。これに対し、立脚中期では体重荷重線は坐骨結節を通り、大腿骨は静止立位時よりさらに4度内転する。
この違いを想定した結果、基準線を坐骨結節との1/2の点から膝継手中心を通し、ソケットに実際に計測した内転角度よりも4度角度を加えたアライメントになる。スタティックアライメントでは下腿部が4度傾くが、立脚中期では下腿部は垂直に立つこととなる。

矢状面

四辺形ソケットと同様

水平面

IRCソケットは四辺形ソケットと同じように進行方向を内側壁を基準に設定することができない。このため、採型時に進行方向を決定する基準線を引き、これと直角に後壁を制作するので、後壁を基準にして決定する。

初期屈曲角度をつける意味

屈曲角度をつけることによって、立脚期における膝継手の安定感が向上する。大腿義足の歩行では、股関節伸筋を利用した膝の随意制御によって膝安定性を確保する。初期屈曲角によって股関節の伸筋が緩んだ状態にすることより、最大の伸展筋力を効率よく引き出すことが可能となる。有力な股関節の伸展筋である大臀筋は股関節15度屈曲位からがもっとも力を発揮するため、初期屈曲角はより良い歩様の獲得には必要不可欠な存在である。
また、股関節の最大伸展位に対して5度の屈曲角度を加えることで、立脚後期における、TKAラインを正常歩行に近づけることができる。

TKAライン

TKAライン

出展 : 義肢装具のチェックポイント 第8版 日本整形外科学会 (著)

正常歩行において立脚後期の股関節〜足関節を結ぶ直線は、垂直方向に対し15度の角度を保っている。この15度は股関節の伸展角5度、膝屈曲および足関節の10度によって確保される。
しかし、大腿切断者は膝関節および足関節がない。股関節だけでは15度の伸展角度を生み出すことはできない。幸い骨盤を10度前傾させて長時間歩行しても、脊柱には異常はおきない。これを利用し、股関節を5度伸展することができれば、骨盤を10度回転させれば、TKAラインを正常歩行と同じ後方15度することができる。

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