ソケットの不適合やアライメントの不良によって異常歩行が生じる。
異常歩行は、一つの異常に対して一つの原因というわけではなく、いくつかの問題が複合しあって出現する。そのため、原因を一つ一つ分解しながら、
何が主な原因なのかを見極めることが重要である。
今回は異常歩行の例とその発生原因を一つ一つ分解しながら紹介する。
ぶん回し歩行

出展 : 義肢装具のチェックポイント 第8版 日本整形外科学会 (著)
観察
前額面、後方からの観察
原因
- 義足長が長すぎると、義足側遊脚期につま先が地面に擦ってしまう。
- これを回避するために、義足を外側へ円弧を描くように振り回しながら歩行する。
- 義足に対して不安感がある場合、膝を曲げて歩くことができない。
そのため棒足歩行になり、床面とつま先の距離を保てず、地面につま先が擦ってしまうため、ぶん回し歩行が発生する。
対処
義足長の調整および、膝折れに対する不安感の解消。
伸び上がり歩行

出展 : 義肢装具のチェックポイント 第8版 日本整形外科学会 (著)
義足側の遊脚期に健側が伸び上がり、踵が浮き上がる。義足長が長すぎる場合や棒足歩行などで発生する。ぶん回し歩行と同じく、足部と床面の距離を稼ぐために行うことが多い。
観察
前額面、後方また矢状面からの観察。
原因
- 義足長が長すぎる場合。義足側遊脚期に床につま先が擦らないように、健側が爪先立ちになり、義足側の足部の床面との距離を稼ぐ。
義足に対する不安感による棒足歩行。 - 膝継手の摩擦や遊脚期制御機構の調整不良により、膝の屈曲抵抗が強すぎる場合。膝が曲がらないので、足部と床面の距離を稼ぐことができなくなるため。
- 膝継手の摩擦や遊脚期制御機構の調整不良により、膝の屈曲抵抗が弱すぎる場合。膝が曲がりすぎるため、下腿部が大きく後方に跳ね上がるため振り出しが遅れる。伸び上がりを行い、振り出しの遅れを調整する。
対処
義足長および膝継ぎ手の調整。
この記事は義肢装具士国家試験対策に勉強したことを
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