外壁の主な機能
内側壁と共に側方安定性を高めている。
大腿骨を内転位に保持。
大腿骨遠位端への負担を軽減する。
外壁は大腿骨を内転位に保つために重要な壁。
大腿骨を内転位に保持するために、外壁では
大腿骨の内転角と腸骨大腿骨角が重要となる。
大腿骨の内転角と腸骨大腿骨角

出展 : 義肢装具のチェックポイント 第8版 日本整形外科学会 (著)
大腿骨の内転角
大腿骨頭は立位時は通常内転位である。この時の大腿骨の内転角の平均は下記の通り
男性 9〜11度
女性 11〜13度
この角度をソケット外壁の大転子部より下部で再現する。
ソケット外壁の内転角が不適切な場合、骨ロックがかからず、
内転を制御することができない。
腸骨大腿骨角度
腸骨と大腿骨がなす角度のこと
男性 28~35度
女性 35~42度
大転子よりも上方の適切な腸骨-大腿骨角によって
大腿骨を内転位に保つことができる。
接触する筋群、骨
- 大腿筋膜張筋
- 外側広筋
- 大臀筋
- 大転子
- 大腿骨体
形状

ソケット外壁:矢状面と前額面
大腿骨の形に対応する輪郭。
一般的に大転子から骨端の直上までは平坦。
骨端の直上は凹形状。
腸骨-大腿骨角度を保持するため、大転子より上部も平坦になっている。
外側壁の頂点は、通常骨端の上方に位置にする。
ソケット中心線に対して対照とする。
前・後両壁に滑らかにつなげる。
大転子の後方に大臀筋ポケットがある。
下方に向かうにつれて、後壁と外側壁とをつなげてゆく。
高さは通常、ソケット中心線上で大転子の頂点より7.6cm上に位置させる。
臨床上の問題点
骨端部の痛み
- 大腿骨端の直上での支持が不十分である。
- 内転角が適切でない。
- 骨MLが大きすぎる。坐骨が収納されていない。
ソケット近位端での軟部組織のたるみ。
- 腸骨-大腿骨角度が小さすぎる。
- 縁部の形状が不適切。
外側上縁部に隙間が生じる。
- 腸骨-大腿骨角度が大きすぎる。
- 骨MLが大きすぎる。
- 骨MLが小さすぎる。
小さすぎても坐骨が収納されず、骨ロックが効かず、隙間があく。
大転子上方での隙間
- 陽性モデル修正時に、腸骨大腿骨角度のための削り修正が不足
まとめ
外壁は骨ロックを担う重要な壁。
内転角度、腸骨-大腿骨角度、ソケットの形状を用いて、骨ロックを実現する。
外壁の形状、角度が不良だと大腿骨を内転位に保つことができない。
この記事は義肢装具士国家試験対策に勉強したことを
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