脊髄損傷レベル別!適応装具のまとめ

国試対策

脊髄損傷のレベル別で何ができるのか?どんな装具が適応になるのか?という問題は国試でも毎年何問か出題されています。
なのでマストで勉強しておかないといけない分野の一つです。
脊損の勉強をするにあたり、レベル別の適応装具一覧があればいいなと思い、探してみましたが。。。。

全然見つかりませんでした!

そこで自己満足気味に、
脊髄損傷の各レベルごとに適応となる装具、補装具、車椅子などをまとめました。

C1~C3損傷

  • 人工呼吸器
  • 電動車椅子
  • 環境整備装置
  • 食事支援ロボット

自発的な呼吸ができず、四肢も動かすことはできません。そのため全てにおいて介助が必要です。
ただし、話すことや飲み込むこと、頭の動きをコントロールすることは可能です。環境整備装置やパソコン、スマートフォンなどを活用することで、本人の活動を促進することもできます。

視線誘導を用いてコンピューターを操作することも!

人工呼吸器

自発的な呼吸ができないため、人口呼吸器が必須です。

電動車椅子

C3損傷の場合
チンコントローラーを使えば顎で操作は可能です。

C4損傷

  • 人工呼吸器
  • 電動車椅子
  • 食事支援ロボット

横隔膜を動かせるため、自発呼吸が可能。肺活量は正常の45%程度回復します。ただしまだ呼吸器が必要です。頸髄損傷のレベルでは呼吸が必要という文献もあります。

四肢は完全に麻痺。僧帽筋が辛うじて動きます。
食事支援ロボットを利用することで、自立した食事が可能となります。

C5損傷

KEY MUSULE 肘の屈筋

  • 肩肘保持装具BFO/PSB
  • 肩駆動式把持装具
  • 体外力源駆動式
  • 電動車椅子
  • 車椅子
  • トランスファーボード

C5損傷の場合、肘の屈曲が可能になります。
BFOまたはPSBを使用し食事が可能。
車椅子も電動ではなく普通型の車椅子が限定的な条件家であれば使用できます。

肩肘保持装具 BFO/PSB

BFO (Balanced Forearm Orthosis)

BFO

PSB (Potable Spring Balancer)

PSB

座位が可能であれば使用可能。
簡単な構造上の簡単な分類で言えば、
下から支えるのがBFO
上から吊り上げるのがPSB

肘以下を持ち上げる、または吊り上げることで、
食事の動作やパソコンの利用をすることを可能にします。
様々な作業・活動が広がるため、自立心の向上に影響を及ぼします。

車椅子

屋内で平地であれば普通型の車椅子で自走が可能になります。
自走する際は、ハンドリムに滑りにくい加工を施したり、滑り止めを縫い付けた手袋が必要になります。

移譲動作

トランスファーボードを用いることで、
車椅子からベッドへの直角移譲が可能です。
ベッドから車椅子の移譲はまだできません。

C6損傷

KEY MUSULE 手の背屈

  • 把持装具(手関節駆動式)
  • 対立装具
  • 車椅子

手の背屈が可能になるため、テノデーシスアクションを利用した
把持が可能になります。

把持装具(手関節駆動式)

この装具の目的は手関節を背屈させることで手指を母指と接触させることです。

対立装具

母指の対立が困難で、手関節のコントロールが不十分な場合に処方されます。

車椅子

悪路でなければ外を走ることも可能ですが、屋内の平地での利用が主になります。坂道はまだ登ることはできます。
自走する際は、ハンドリムに滑りにくい加工を施したり、滑り止めを縫い付けた手袋が必要になります。

移譲動作

トランスファーボードを用いることで、直角移譲が可能になります。
サイドガードを上げることができる車椅子を固定することで、
横移譲が可能になります。

車椅子利用時の褥瘡予防について

C6損傷レベルまでは褥瘡より注意を払う必要があります。
褥瘡の予防にはロホクッションなどの特殊なクッションや、
ティルトやリクライニング機構を用いた座面圧の除圧が有効です。

C7損傷

KEY MUSULE 肘の伸展

  • 対立装具
  • 柄の太いスプーン
  • 車椅子

肘の伸展が可能なため、プッシュアップ動作を行えるようになります。
そのため移譲が楽になり、褥瘡にも自分で対応できるようになります。

車椅子

ハンドリムや滑り止め付きの手袋を利用することで、
屋内外の自走が可能になります。

移譲動作

トランスファーボードを用いず直角移譲が可能になります。
横移譲も実用的なレベルで行えます。
車への積み込みを自分で行い、車の運転も可能になります。

C8損傷

KEY MUSULE 指の屈曲

  • ナックルベンダー
  • 車椅子

指が曲げれるようになり、上肢の機能がほぼ使用できます。
手の内在筋はまだ麻痺しているので、鷲手変形が生じます。

ナックルベンダー

手のMP関節の過伸展を防止するための装具です。

車椅子

屋内外の自走が可能です。
体幹はまだまだ安定していないので、ヘッドサポートなどのサポートはまだ必要です。

TH1

KEY MUSULE 指の外転

  • 車椅子

第一胸髄レベルが残存していると、上肢の機能を完全に使うことができます。。
体幹はまだ安定しておらず、
下肢の機能も使えないため、移動手段として車椅子は必要です。

TH6

  • 骨盤帯付き長下肢装具+ 松葉杖
  • 車椅子

胸部の運動が可能になり、体幹も安定してきますが、
まだ腹筋を使った起き上がりはできません。
また、装具を使用しても実用的な歩行はまだ難しいとされています。

TH5損傷より上位の損傷で見られる自律神経過反射が見られなくなります。
体幹が安定してきているため、車椅子も小さくすることができます。

骨盤帯付き長下肢装具

適応はTH6~TH10(TH12)までとされており、松葉杖と同時に使用します。
骨盤から足底までを支える構造になっており、
股関節・膝関節・足関節をコントールします。
脊髄損傷(対麻痺)などで使用される場合は、両下肢に長下肢装具をつけ、骨盤帯で連結します。
膝継手には解除が簡単なスイスロック式を用いることがあります。

車椅子

背もたれの短いアクティブ型の車椅子が使えるように!

体幹が安定してきているので、ヘッドサポートが不要になり、
背もたれも短くできます。車椅子の動作も全て自立できるとされています。

TH12

  • 両長下肢装具 + 松葉杖
  • 対麻痺用下肢装具
  • 車椅子

腹筋と背筋が使用でき、体幹が完全に機能します。
両長下肢装具 + 松葉杖や対麻痺用装具を用いることで、立位および、歩行が可能となります。ただしまだ実用的な歩行には至りません。

両長下肢装具

装具を装着し、Cポスチュアを取らせることで立位の安定性を確保できます。膝継手には解除が簡単なスイスロック式を用いることがあります。

スコットグレイグ長下肢装具

3点支持に必要な構成要素のみの簡素な装具。
この装具は、立位保持の機能は通常のものと変わりませんが、着脱がしやすくなっています。

対麻痺用下肢装具

パラウォーク/外側股継手

長下肢装具に股継手加えることで股関節の制御を容易にして、交互歩行を可能にする装具です。
種類は股継手の取り付け位置によって大別されます。
外側に股継手がある外側系と股下で両長下肢装具を連結する内側系の2つがあります。

外側股継手

外側に股継手が取り付けられています。
歩行の方法に特徴があり、交互歩行ができるタイプとできないタイプにわかれます。

交互歩行できないタイプ

  • HGO
  • パラウォーカー
    交互歩行ができるタイプ
  • RGO
  • ARGO

交互歩行ができるタイプは、歩幅も歩行速度を上げることができ、内側股継手型よりも早く歩くことができるとされています。
ただし、自力での装着はほぼ不可能であり、座って装着することもできません。そのため車椅子では使うことができません。

内側股継手(MSH-KAFO)

股継手が股下取り付けられています。
剛性が高く、たわみが少ない特徴があります。側方の安定性も高いとされます。さらに、車椅子との併用も可能です。
重心を前方に移動させながら歩行します。

  • ウォークアバウト
  • プライムウォーク

ウォークアバウトは内側股継手型の原型とされ、単軸の内側股継手を採用しています。歩幅がでないなどの問題点があります。
プライムウォークは、ウォークアバウトの改良型であり、歩幅が出しやすくなっています。

L2損傷

KEY MUSULE 股関節の屈筋

  • 長下肢装具

股関節の屈筋が使用できるようになり、歩行時に自ら足を振り出すことが可能になります。しかし、まだ大臀筋などの股関節の伸展筋は使えません。
そのため長下肢装具を利用する際は、Cポスチャーを用います。

L3損傷

KEY MUSULE 膝関節の伸展筋

  • 長下肢装具
  • 短下肢装具 + 杖

膝の伸展筋が使用できます。
長下肢装具または、短下肢装具と杖を用いることで実用歩行が可能とも言われています。

L4損傷

KEY MUSULE 足関節の背屈筋

  • 短下肢装具
    膝の伸展筋が完全に機能し、足関節の背屈も可能になります。
    膝の制御が可能になり膝折れの心配がなくなります。
    ただし、足関節の底屈筋がまだ使えず、踵足変形を起こすため、
    背屈を制限する短下肢装具が必要となります。

S1損傷

KEY MUSULE 足関節の底屈筋

足関節の底屈が行えます。このレベルの場合、ほぼ全ての運動が可能になり装具は必要なくなります。

まとめ

脊髄損傷のレベル別装具をまとめてみました。
国試の場合だと、”どのレベルで何ができて何ができないか”を知っておけば、解ける問題ばかりです。
AISAのKEY MUSULEと適応装具を暗記していると戦える問題なので、頑張って覚えると良きかと思います!

参考引用文献

義肢装具のチェックポイント 第8版 日本整形外科学会 (著)

最新リハビリテーション医学第3版 安保 雅博 (著), 上月 正博 (著),

装具学第4版 日本義肢装具学会 (監修)

この記事は義肢装具士国家試験対策に勉強したことを
アウトプットする目的で記事を書いています。
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